宙のアポリア　1

もりた毬太先生


本当に世界が間違ってるんだよ


「宙のアポリア」第一巻


主人公・皆上拓馬には不思議な能力があって。
今より先の事象を知ることが出来る予知能力というか「記憶」を持っていました。

必ず当たる彼の記憶では。
自分は恋をしている彼女・中川七海とすでに付き合っていることになっているのですが。
なぜかその予知だけはハズレていて、彼女に片想いの真っ最中。
そんなある日。
いきなり現れた女子中学生・ソラと接触するのでした。


ということで。
理想の彼女と付き合っていない人生は間違っている！
という、なんとも強引な思考をお持ちの主人公の物語であります。

突然現れたソラには記憶がなく。
仕方がないので妹として自分のアパートに住まわせることにした拓馬。
世界を正しい道に修正しに来たという彼女と一緒に。
自分の理想世界の邪魔をしている犯人を突き止めようというのです。


いくつもの可能性があるパラレルワールド。
理想である世界が本当に正しいわけではない哲学的解釈をふまえ。
ミステリファンタジーとして描かれておりますね。

自分の姿が今の自分ではないというソラという少女は何者なのか？
記憶喪失の女子中学生と同棲している人生も。
なかなか危険な香りがして良いのではないでしょうか。