黒　１

ソウマトウ先生


絶対に　道をはずれないで・・・


「黒」第一巻。


大きな古い洋館に一人で住む女の子・ココ。
彼女の飼う黒猫のクロだけが唯一の家族なのでした。
一人きりの寂しい生活もクロがいれば寂しくありませんでした。
しかし、この黒猫・・・ちょっと変？


ということで。
主人の少女と忠犬ならぬ忠猫？の物語。
猫・・・なのか？

実はこの街には「グロい化け物」が生息しており。
街道を外れた森の中には人間を襲う化け物がいっぱい居ます。
幼い頃、特殊なクスリを注射すると見えるようになる化け物。
ソレに怯えながら人々は暮らしているのですが。

しかし、ヒロイン・ココには化け物が見えません。
ご主人の少女を守るため。
彼女に知られること無く、自ら異形に変化して戦う猫。

なんとも不思議な世界観。
少女と猫が戯れるホンワカした描写があると思えば。
道を一歩外れると黒い巨大な化け物が徘徊し、隙あらば人間を喰らう。

ココの両親は不在だし。
街の人間は、ココに対して敬意を払っているも怯えていますし。
猫も、どう見ても異様です。

非情に異質で気持ちが悪い作品ですね。
キャラがすごく可愛いので余計タチが悪い。

描写もさることながら。
陰では人間が食べられている世界で、何も知らず幸せな生活をおくるヒロイン。
無邪気さと残酷さがミックスされた不気味な物語です。
まだ両親健在の過去などが時折描かれ。
なんでこんな状況になってしまったのか謎の究明が必要ですね。